2022.9.12 榎本弁護士

最近の五輪汚職、旧統一教会問題に思う


企業や政治家の不祥事が連日報道されています。東京五輪に絡む贈収賄事件、旧統一教会問題など、いずれも我が国の政治過程に関わる由々しき事態であり、刑事当局やメディアは、この種の国民を欺き裏切る行為を断じて許してはならないと強く思います。しかし私などは一方で、これらの社会問題・刑事事件の発掘・立件は、メディアの真相糾明へのインテリジェンスや刑事当局の正義への蛮勇があれば、はるか以前に明らかになっていた事柄ではないかと思われ、これが見逃されたことによる悲劇にも思いを致さずにはいられません。
不正に接してこれを礼賛する人などいないと思います。しかし、そこから色々な知的操作を経て逃げてしまうのも人間の悲しい性として理解しなければなりません。問題はそこから逃げてはいけない社会的使命を背負っている人が、一途な勇気を持たずに時に純粋に時に狡猾にこれに蓋をしていることだと私は思います。思えば77年前の戦争もその極みだったのではと想像します。21世紀になっても社会のあらゆるところで根を張る日本人のメンタリティは何も変わらないのでしょうか。
我々弁護士の大多数は、個々の受任した案件を通じての目立たない存在ですが、目の前にある社会正義と真実からは決して逃げない勇気ある仕事をしている「本物弁護士」がたくさんいます。これからは法と正義の職人である「本物弁護士」が政治に必要な時代です。巨悪が見逃される日常の中で、多くの選挙民がそれを自身の問題として糾明を望み、政治やメディアに露出を控えがちな「本物弁護士」を、市民の草の根の力でたくさん担ぎ出し、そこから国民の行動による法の支配が一歩を踏み出して欲しいなどと、夢幻のようなことを考えてしまいます。

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